2018/10/16

2018年問題、ってどうなった?

 2018年問題とか何とか言われてた、18歳人口の激減期にさしかかり少子化が一段階進むという件も、渦中真っ只中にいるはずなのに具体的にそれほどの危機感が共有されているわけでもなく、日々何となく同じようにまわっていることの不思議。

「2018年問題」とは、2018年を目途に18歳以下の人口が減少期に入ることで、大学の倒産や学生獲得戦争が過熱することです。数字上、2000年生まれの子どもたちから該当します。
「少子化」は今にはじまったことではありません。これまでにも18歳人口が減少することはありました。しかし進学率の伸びによってカバーされ、大学の経営は成り立っていました。また、団塊ジュニアの多くが18歳を迎えた時には、浪人生が増えないようにと文部科学省が大学の臨時定員増を認めたため、大学は「受験バブル期」を迎えました。この時の蓄えがあったため、経営状況の悪化も乗り越えてこられたといわれています。しかし、2018年には、人口減少期への突入と進学率の頭打ちが重なるため、大学経営が厳しくなることは避けられなくなると考えられています。
大きな原因は、18歳人口の減少が予想されていたにもかかわらず、大学の数が増え続けたこと。特に4年制の私立大学の数は増え続けました。4年制にすれば志願者が集まると当て込み、短期大学からの転換が相次いだのです。しかし2010年以降、経営悪化から学生募集を停止する私立大学が目立つようになりました。この頃から「2018年問題」が叫ばれるようになりました。ただ、私立大学では、すでに定員割れが全体の5割近くまで進んでおり、閉校する大学も出てきています。2018年を前に、教育現場の大変革ははじまっているのです。
https://studysapuri.jp/course/junior/parents/kyoiku/article-119.html
 まんま弊社のことやん、どこぞで見とるんと違うん、としか言いようがないのだが、実際、募集状況は例年以上に芳しくないようだし、オープンキャンパスだの進学相談会だのにやってくる高校生たちも少し前までと違って、明らかに「学校に言われて顔を出している」感ありありなのがデフォになっていて、自分の興味や好奇心といったもののありかすらよく見えない、わからないという印象。資格や免許をフックにして「就職」という実利に誘導してゆくことができない人文系だと、こういう高校生が多数派になってくるとこれまで以上に戦いようがなくなってくる。

 社内の状況は概ね Who cares? で、将来像や中長期的展望の類は誰も持てないし持とうともしない、いずれ危機的な状況になるだろうことは理解していても、今すぐではないだろう、程度の多寡のくくり方で日々同じようなルーティン・ワークで流しているといった感じ。頭上にB29がやってきて爆弾や焼夷弾落とされるまでの日々の日常ってのも、きっとこんな感じだったんだろうな、と思う。


 還暦目前、規則通りの定年まであと5~6年の老害世代のこちとらなどはともかく、どうにも理解できないのは、向こう10年や20年、ヘタすりゃもっと先まで何とか喰ってゆかにゃならんはずの40代や30代の「若手」と呼ばれる教職員がたののっぺりした平穏さというか鈍さというか。言われたことは断らずこなそうとするし、概ねマジメだし、規則その他にゃ従順だし、とりあえず文句のつけようはないようなものだけれども、しかし、もう少し何とかジタバタしてみんことにゃこの先、泥舟確定のこの状況を何とか打開でけんのと違うんかいな、という懸念はこちとら、根深くある。


 知ったことか、バリバリ業績あげてバンバン公募に出してとっとともう少しマシな環境に移籍するだけだわ、的了見ならばそれはそれ、生存戦略としてある意味まっとうだし応援すらしていいと思うんだが、そんな気配もさっぱりなく、任期制がない分このまま居座れば食い扶持失うことはない、何より未だ定職もないままウロウロしてる野良博士が山ほどいる世代のこと、「他よりまだマシ」「誰それより恵まれてる」という一点で安心して判断&思考停止しているとしか思えない。


 確実に底は抜ける、それはわかっている。おそらく今年度の結果はかなり衝撃的なことになるだろう。けれども、ああ、学校という稼業は年度さえ変わってしまえば、4月になってしまえばまた「新しい現実」へとワープしてしまう勘違いが毎年準備されるもので、きっとこれまでと同じように淡々と粛々と抜けた底を横目に見ながら日々を過ごしてゆくのだろう、と思う。