2018/10/30

大学の滅び方、また別の道筋

 大学の滅び方って巷間想像されるような入学者が減って経営が成り立たなくなる、という大文字の経路以上に、すでに在籍している学生が講義その他大学に姿を見せなくなり、休退学除籍などで消えてゆく数が静かに増えて「枯れてゆく」のが現実的にクリティカルな過程なんでないか、と。

 入学者数はいまどきのAO学校推薦系主体で実質無試験な状況だと一気に減ることは実はなくて少子化勾配に従う漸減過程を粛々と、てな感じだけれども、入ったものの休退学除籍の増え方は割と一気に、な印象。それも1年2年のうちにあっさりと、な事案が増えてくる。「流し込まれる」ことの弊害もあるかも。

 3年なり4年なり在籍して単位足りない、でも卒業はしときたい、といった段階踏んでの休退学がこれまで主流だったのが、入ってすぐ1年2年のうちにあっさりと、それもロクに大学に姿を見せないまま、という事案の増え方、どうも割と一般的な傾向になってきとるようでもあり。「こまやかな指導」とか以前の問題。

 専門学校行ってた方がよっぼどフツーにシアワセになれとるような若い衆の率が増えてきとるというのは、学力能力以前にそもそも「好奇心」なり「興味関心」なりを旧態依然な「大学」の枠組みに沿って持つこと自体、できないような個体の比率が上がってきとるのでは、という懸念(というかほぼ確信)が。

 「実学」志向は別にモンカ様や経団連様のご意向どうこう関係なく、ぶっちゃけ「市場」の方がすでにそういうマインド標準、「大学」が能書き整えて四苦八苦するのなんざ全く関係なく「就職に具体的につながらん学校にゼニ出せるかよ、ボケ」になっとる現実がずっと先行しとるで、というのをあれほど……

 人文社会系の衰退、とか何とか言われて「困ったことですね~」的に悩んでみせとる間に、そもそも前提自体が中の人がたの想像力の斜め上で「実利」一発で塗り替えられる、何より当の若い衆以前にその親世代が辛酸なめとるアラフォー氷河期世代になってきとるで、と言うてきとったことがいよいよ現実に。

 財布であり出資者である親の側に「大学」に対するこれまでみたいなリスペクトなり幻想なりがなくなったら、そりゃ子ども若い衆の側にも、よし、大学行って何か違う自分になれるかも、な幻想自体宿りようがなくなるのは必然だわなぁ、と。

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