2012/02/01

「大学」という値打ち


 高校まででそれなりにつくられてきた「自分」を一度ほぐして、大げさに言えばこわしてしまう。2年間じゃこれはできませんし、資格だの何だのといった出口へも届かない。でも、4年間あればこれができるし、また敢えてやらないといまどき「大学」なんて意味がない。特に文科系、さらに人文学系の学部の場合はほぼそれにしか存在意義はないんだと思います。

 だから、新入生の1年生の間か、遅くても2年生の夏くらいまでに一度、それまでの「自分」を形成してきたいろんな「当たり前」に気づいてもらい、それをできるだけバラバラにほぐして棚にあげてしまうことをしなければならない。その上で、残りの何年かでそのバラバラになったものをもう一度見つめ直し、使えるものはもう一度使い、手入れするべきものは手入れをし、もっと他の何かに取り替えた方がいいものや、新たにつけ加えるべきものなども全部一度手もとに並べてみて、それらでもう一度新たな、それまでと違う別の「自分」を組み上げてゆく。

 もちろん、ひとりじゃできないから、仲間と友だちと、先輩後輩と、「大学」という「場」を最大限に活用して、やる。そのための時間と費用とをかけてもらえるだけの値打ちがある、ということを、これからの大学は自ら証明しようとしてみせなければならないのだと思っています。

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